中国における訴訟・仲裁手続

中国での訴訟・仲裁

中国でのビジネスについても、「取引先が代金を支払わない」、「取引先が商品を納入しない」といったトラブルは避けられません。

取引上のトラブルが発生し、中国で訴訟や仲裁といった方法により紛争を解決せざるを得ない場合もあります。

訴訟による紛争解決

中国の民事訴訟の審理も、日本におけるのと同様、原則として公開で行われます。

当事者は、自らの請求の根拠となる事実または相手方の請求に対する反論について、証拠を提出し、証明しなければなりません。

訴訟に関しては、本案の審理手続のほか、以下のような手続もあります。

証拠保全

証拠が滅失または取得困難となる可能性がある場合、当事者は、訴訟係属中はもちろん、訴訟提起前であっても人民法院に証拠保全を申し立てることができます。

財産保全

これは日本の仮差押、仮処分に相当する手続です。

相手方当事者の行為またはその他の原因により、判決の執行困難またはその他の損害を被るおそれがある場合、相手方の財産の保全等を行うことを人民法院に申し立てることができます。

強制執行

勝訴判決が確定しても、相手方が任意に履行しない場合には、強制執行を人民法院に申し立てることになります。

中国における訴訟は、中国の弁護士(律師)しか行うことができません。

しかし、中国の弁護士は必ずしも日本語が堪能とは限りませんし、日本語が堪能な中国の弁護士が必ずしも訴訟案件の経験を豊富に有しているとは限りません。

このため、親会社はもちろん、中国現地の担当者も訴訟の状況を正確に把握できていない例も見受けられます。

当事務所では、日本語の堪能な当事務所所属の中国弁護士、経験豊富な提携先の中国弁護士がチームを組んで事案の解決にあたります。

そのため、親会社となる日本企業の意向も的確に現地の代理人に伝えて訴訟手続に反映させることができますし、訴訟の状況、見通し等についても、全て日本語で丁寧にご説明することができます。

仲裁による紛争解決

仲裁機関により紛争を解決するには、当事者間に仲裁により紛争を解決する旨の合意がなければなりません。

当事者間に仲裁の合意がない場合には、仲裁によって紛争を解決することはできず、訴訟等の方法により紛争を解決することになります。

仲裁は、訴訟による紛争解決と比べた場合、

  1. 中国もニューヨーク条約の加盟国であるため、日本の仲裁判断も中国で強制執行ができる
  2. 専門性を有する者を仲裁人に選任できる
  3. 手続や判断が原則として公開されない

などのメリットがあると一般に説明されています。

しかし、仲裁では上訴ができないため不利な判断が出た場合でも受け入れざるを得ませんし、仲裁の費用の負担は訴訟と比べると相当多額となります。

中国における仲裁と中国の人民法院における訴訟のいずれが紛争解決方法として適当かは考慮を要する問題です。

当事務所では、日本での仲裁手続はもちろん、中国での仲裁手続についても経験豊富な現地法律事務所の弁護士と共同して、仲裁手続を代行することができます。

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